前日はしっかり休息と食事をとって塔ノ岳へ登る大倉ビジターセンターに到着しました。塔ノ岳は今年私たちが登る山のなかでも一番高い山です。(コロナ禍で体を動かせていない私たちにとっては1491mでも挑戦です!) 丹沢の多くの山はここからスタートするので、駐車場は7:30の時点でほぼ満車でした。(鍋割山、三ノ塔など。)塔ノ岳で日帰りとなると大倉から行って帰ってくるピストンコースの一択になると思います。


バカ尾根

登山口周辺は緩やかな坂が続き、テーブルやベンチも多くありました。印象的だったのは、年齢や運動経験を問わず、さまざまなハイカーがいたことです。人も多くさすが人気の山といった感じです。最初と2件目の山荘を過ぎるまでは.この登山、ひょっとすると結構簡単なのでは?と思っている自分が今では恥ずかしいです。2件目の山荘でジュースを飲み干してすぐ、急な坂と木の階段が続く今までと違った景色が見えました。この週の前に登った鋸山がウォームアップに感じられるほど、キツかった。登山道の85パーセントほどがこの急坂に階段という体感です。これをずっと登るのが通称「バカ尾根」だったんですね...エネルギー補給をこまめに挟んでゆっくり進みました。3件目の山荘は休業していましたが、ベンチがあり休憩が取れました。



階段に苦戦しながらも、この日は山の自然を楽しむ余裕を忘れることなく登れたことは自分でも評価したいと思います。その場所場所に様々な花が咲いており、特に桜はまだ見頃だったので、山中の桜を見ながらの乙な登山を楽しめました。階段を登っては少し平地のくり返しで、巨人用の階段を思わせるようなコースでした。急坂に挟まれた平地ゾーンは束の間の休息といった感じでとても気持ちよく歩けました。桜がとても綺麗な平地のセクションを歩いたときは最高でした。桜のアーチをくぐりながら魔法にかけられたような時間でした。(疲れすぎたのか、妄想なのか)もしそこにユニコーンが走っていても私は驚かなかったと思います。


途中でいい景色がたくさんあり、他の季節だとどのようにこの山は姿を変えるのだろう、と思いました。四季折々の姿を最終的には見てみたいです。

みんないっしょに登ってる...!

山頂が近づくにつれて体力も消耗し、ハイカーたちの間に見えない絆が生まれているような感じでした。同じグループの人を追い越したり、追い越されたりするので「後少し、頑張ろう!」みたいな雰囲気が全体に出ている感じがしました。実際には声をかけてくれる方もいましたし、「ゆっくり確実にが一番の近道」とアドバイスをくれたおじいさんもいました。このようなコミュニケーションが取れることは日本の山コミュニティ独特のことで私はとても好きな部分です。都市部ではあまり見かけない光景ですね。山にいる人はその人のバックグラウンドに関係なく、なんとなく周りの安全にも気を配る方が多い傾向がありますよね。

私が一番好きだった場所は山頂にかけての最後の急坂の直前の部分です。道幅が狭くなり、一人しか通れない場所で、ハシゴもある場所です。みんな楽しそうに登っていくところが印象的で、子供がアスレチックを楽しむような顔をしていました。階段がずっと続いたので違う登り方ができると楽しい!



合法的にトぶ!

最後の登りはとてもキツくてヘトヘトになりながら登りましたが頂上がそこに見えたので疲れが吹っ飛びます。周りのハイカーたちと一緒に頂上を目指します。山頂に着くともう倒れそうなくらいボロボロの足腰なのに、登頂出来た喜びが勝り、足取り軽く景色をみてまわりました。



皆さんとても充実した表情で、お昼ご飯を準備する人、山頂の表示と一緒に写真を撮る人、全員輝いていました。仲間は「なんでみんなここに来ないんだろう、合法的ドラッグってくらい気持ちいいのに!」とグレーな内容を口走るほどでした。でも登山している人ならわかる気持ちですよね。登頂した時の征服感というか達成感が何者にも変え難いです。同時に大きな山の上に立つといかに自分がちっぽけな存在かを知り、小さな悩みが吹っ飛びます。



下り道...

写真を撮ったり座ってゆっくり休んで達成感に浸った後は、重い腰を動かして下の山荘へ食事を求めて向かいます。優しい夫婦によって営まれているこの山荘で頂いたうどんと豚汁に勝る食べ物はこの世界にいくつあるんだろう...というくらい満足しました。この山荘ではかき氷を頂くこともでき、夏場なんかは最高だと思います。



下りは慎重に階段を降りていきます、膝にいつもの2倍のKTテープを巻いている私にとって下りの方が厄介です。(誰かが私のトレッキングポールを忘れたせいで)階段の後半はかなり大変でした。車に戻ると疲れがあるにもかかわらず、次の山についての計画が始まりました。今年の山巡りはこれからどんどん楽しくなりそうです!




Lana Stephenson<(ラナ スティブンソン)

Hike To The Clouds創設者。山に登っていない時はサイトを作ったり、料理したり、愛猫のベンジーとレイアと遊ぶのが大好き。

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