野外での危険とは?

多くの方は、山の危険と聞くと、お腹が空いたクマや毒蛇と遭遇するような事態を想像するのではないでしょうか。しかし実際に起こるトラブルは想像よりももっと単純であることが多いです。ハイキング中で命に関わる症状のトップ2が低体温症と熱中症です。続いて他によこ起こりがちな症状や怪我とその対処法について説明します



  • 捻挫(ねんざ) / 筋肉がつった状態
  • アレルギー反応 / アナフィラキシーショック
  • 虫に噛まれる / 蜂などに刺される(ダニなどに噛まれることも含む)
  • 水膨れ
  • 切り傷・擦り傷
  • やけど
  • 骨折 / 関節の脱臼(だっきゅう)
  • 脱水症状
  • 低体温症 / 凍傷
  • 熱中症 / 過度の日焼け
  • 持病の悪化 (糖尿病 / 心臓病 / 喘息(ぜんそく)を持っている方)

山でのトラブルに対処するために、何が必要?

何よりも最初に必要なのは 防水のケース です。中に入っているものにラベルをつけて、整頓されていなければなりません。緊急事態に置いては焦りが生じ、判断力が通常時と比べて著しく下がることがあります。よって、キットの中にあるものを素早く取り出すためにはラベルを貼って、視覚化することがとても重要です。中身の話ですが、最初からセットになっているキットがありますので、それにプラスして必要なものを入れて自分なりのキットを作ることが キットを準備する一番簡単な方法かと思います。もう一つのやり方として 防水のバッグを買って、中身も自分で考えて作ると言う方法です。The North FaceとMont-bellではかなり質を重視してキットを作れると思います。

私たちが推奨するファーストエイドキットの中身のリストを作成しました。もちろんこのリストを全て揃える必要はなく、あなたがおこなうアウトドアのスタイルや場所によって自由に変更してください。また、キット自体の重量を重くしすぎないようにすることも大切です。しかし、ハイライトしてあるアイテムは私たちはやアマ登りの際には必須だと思うので、是非あなたのキットにも入れるようにして下さいね。


1. 基本的なアイテム

  • 生分解性石鹸
  • 先が丸くなったハサミ(包帯等を切るようなもの)
  • ココヘリ
  • 綿100パーセントタオル
  • CPRマスク(人工呼吸用マスク)
  • ダクトテープ(1巻き全部はいらない)
  • 蛍光スティック / 懐中電灯 / ヘッドライト
  • 虫よけ
  • 使い捨てカイロ
  • インスタントの氷のう
  • 洗浄用のスポイト
  • 体温計(低体温症・熱中症のため)
  • メディカル手袋 (ラテックス製はNG)
  • 針と強度のある糸
  • 油性マジック
  • ポケットナイフもしくは小さい刃物
  • 安全ピン
  • 衛星電話・無線
  • 外科用メス (#15 / #12)
  • 小さな手鏡
  • 保温ブランケット
  • 添え木
  • ダニ用リムーバー
  • 毛抜き
  • ホイッスル

2. 包帯や絆創膏系

  • さまざまな大きさの絆創膏
  • テーピング
  • マキロン
  • 蝶形バサミ
  • 弾力包帯
  • ガーゼパッド
  • 止血用ガーゼ
  • ハイドロゲルパッド創傷被覆 (Hydrogel-based Pads)
  • 液体絆創膏(ジェルパッチ)
  • くっ付き防止滅菌パッド
  • 眼帯ガーゼ
  • 包帯
  • ガーゼ包帯
  • 三角巾
  • スポーツテープ

3. 水ぶくれ用のドレシング Blister Plasters

  • モールスキン Mole skin (or other reliable blister plasters or treatments)

4. Medications

  • 胃薬
  • 下剤
  • 抗ヒスタミン剤
  • エピペン (医者の処方が必要なので、かかりつけの医者に相談してください)
  • 目薬
  • 痛みどめ((アセトミノフェン、イブプロフェン、アスピリン
  • 持病の薬(あれば)
  • 塩分補給用の塩や食品(OS-1)
  • のど飴

エピペンはアナフィラキシーショックの徴候が出た時にのみ使用します。(顔、舌や喉が腫れて、呼吸に支障が出るなどの症状です)エピペンの効果は15〜20分程度しか続かず、そのあとは徐々に効力が薄れます。よってエピペンを携帯しているハイカーは複数を携帯していることが多いです。 入手できるならすぐに抗ヒスタミン剤を服用することも望ましいです。抗ヒスタミン剤は効果が出るのに時間がかかるので、即効性のあるエピペンを打ち、同時に抗ヒスタミン剤を服用することで、エピペン(2本目を使うとなお良い)の効果が切れる頃に抗ヒスタミン剤が効いてきて、長時間にわたりショックの症状を緩和できます。もちろんこれは病院を受診するまでの応急処置に過ぎないので、なるべく早く医療機関を受診することが大前提です。


5. 塗り薬、クリーム、スプレー類 

  • アロエベラ(のジェル)
  • 水虫防止のパウダー
  • 消毒作用のあるクリーム
  • 消毒用ティッシュ
  • ムヒなどの虫刺され軟膏
  • やけど用のクリーム・ジェル
  • >カラミンローション(日焼け・虫刺され・痒み・かぶれケア)
  • 手指消毒ジェル (BKZ preferred)
  • 虫除けスプレー
  • 保湿用リップ
  • 日焼けどめ
  • ワセリン

6. シェルター Shelters

  • エスケープバッグ (Bivvy)
  • 緊急用ブランケット (Emergency Blanket)
  • 緊急シェルター (Emergency Shelter)

7. 食品

  • 糖分補給用(あんこなどがお勧め)
  • 浄水器・飲料アクア塩素/消毒剤 (Patable Aqua / Aquatabs)

8. 緊急事態・応急処置マニュアル

  • 緊急事態・応急処置マニュアル を必ず持ち歩く様にしてください。

使ったアイテムの補給を次の登山までにやっておくことも大事です。自宅にいつも補充品が少し余分にあるくらいがちょうどいいかもしれませんね。お子さんのいる親なんかは絆創膏等の使用頻度が高くなると思いますので、補充の機会も増えると思います。 備えあれば憂なし!と言うことでより安全・安心に登山を楽しめますね!登山は安全第一です。楽しむよりも安全を優先して下さいね。



参考リンク集:

WMA ウィルダネス(野外などの状況下)での応急処置カリキュコースのページ

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Lana Stephenson(ラナ スティブンソン)

Hike To The Clouds創設者。ハイキングをしていない時は、コーディング、料理、愛猫のベンジーとレイアと遊ぶのが大好き。

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